マグナム:くそプロレスやけど、彼の場合は。
松沢:だから、天龍源一郎とオカダカズチカがやってるのとは違うわけよ。
マグナム:違う。全然違うよ。あの…、なんて言うかね。アブドーラ・ザ・ブッチャーを呼んできてるのに、「凶器使わないで下さいね」っていう感じ。
松沢:フハハハハっ! 「あのブーツをはかないでくれ!」(注77)ってw ハハハハッ!!
マグナム:そうそう。だから、Uインターにアイアン・シークを呼んだようなもんやね。
松沢:なるほどね。
マグナム:呼ばれた方は、”元WWFのチャンピオンだぞ”とキャラクターも万全で来てるのに、こっちはシュートで行くわけよ。試合にならへんやんww
松沢:一生懸命、キャメルクラッチやろうとしてるのにw
マグナム:してるのにw キャメルクラッチで世界を獲ったわけよね。でも呼んだ方としては、元オリンピック・イラン代表のコシロ・バジリとして呼んでるわけですよね。そんなことをとっくに忘れているわけよ、アイアン・シークは。物凄いパフォーマンスするんやけど、空回りが凄くてね。あの時の安生ーアイアン・シーク戦は大爆笑やったもん。で、最後まで元WWFチャンピオンとして帰るわけよ、負けても。「なんだこの試合は?」って感じで。
松沢:素晴らしいよ、キミはやっぱり。間髪入れずにコシロ・バジリが出てくるだけで最高ですよw
マグナム:コシロ・バジリねw やるよな、そのくらいw
松沢:そのあと一回、会社に急に顔出して。
マグナム:あのね、「イベントするから」って言って、会社に顔出して、そのチケット、「買うてぇや~。今度あるから~」って、なんかの拍子に行ったのかな?
松沢:そうそうそう。
マグナム:その頃、白夜ももう様変わりしてて、作ってる本も、「あっ、こんな薄かったんや、本…」いうね。
松沢:それで、あれだ。リングアナを始めるという…。
マグナム:リングアナを始めたのは、93年ですよ。猪木さんの選挙です。
松沢:んんっ!?
――最初の選挙ですか?
マグナム:はい。スポーツ平和党で猪木が参議院に出ると言い出した時に、当時、大学生のインカレ・パーティーの司会をよくやってたの、オレが。あの、逮捕された『スーパー・フリー』みたいなね。あんなことはしない。
松沢:ナッハッハッハ!
マグナム:7人で一人を…。
松沢:わかるようなことはしないw
マグナム:わかるようなことはしないw あの頃の我々はパーティーでいい女がいたら持って帰った。一対一で。自由恋愛でした。ああいう、居酒屋でヤッちゃうみたいなことはしない。我々の方がタチ悪かったけど。そこで引っかけた女、3人くらいビデオに出したもん、ワハハハハっ!!
松沢:ハハハハッ。その話、聞いた、聞いた。市原君に聞いたw
マグナム:アハハハハッ!! 「出たい」って言うんだからしょうがない。
松沢:そうそう。
マグナム:「出してやるよ」って。それで「あれ、どうすんの?」って、「もういいや、別に。金貰っちゃったから」って。「適当にやっといて」って。
松沢:お金の話も聞いたよw 細かいけどw
マグナム:聞いた?
松沢:聞いた、聞いたw
マグナム:そんなことやってて。その時の全国レベルのインカレ・サークルのトップだったヤツが、「じゃあ、猪木さんが出るんでしたら、立ち会い演説会でもやりましょう」と。大学生が主催でね。
松沢:猪木を呼んで?
マグナム:呼んで。銀座のヤマハホール借りて。で、やりましょうって言った時に、「マグナムさん、司会をお願いできます?」って言うから、「やりますよ! 猪木やし」。で、やったん。で、やって、その時、新間幹事長(注78)が当然、来てますやんか。で、「ウチの倅が団体興すから、ちょっと見に来い」って。で、ユニバーサル(注79)を見に行くんですよ。あれ、要するに『レッスルボーイ』やる前ね。で、見に行って。ほんで、セルヒヨ・エルモソとエル・グレコの『ロス・エクソティコス』(注80)っていうオカマ・タッグがおったのね。そんで「オカマ・タッグに花束渡すのに女より男の方がエエやろ」って言うて、で、花束渡すのにリングに上がるんすよ。生まれて初めて。
松沢:マグナム北斗が?
マグナム:マグナム北斗がね。
松沢:「マグナム北斗さんからです」って。
マグナム:ってアナウンサーが言いますやんか。一応、ウケますやんか。「オオーッ!」って。
松沢:「初めて現物見たっ!」みたいにw
マグナム:そうこうしてるうちに、記念大会ですよ。ゴールデンウィークの。5月5日の大仁田の試合。川崎球場。あれにユニバーサルが選手を貸したんです。で、見返りに5月7日後楽園ホールに大仁田が来るっていう話で、「じゃあ、ゲスト・リングアナやれへん? やりたがってたから」って言ってリングアナやるんです。大仁田来ないんですけどね。大仁田の代わりにバトレンジャー(注81)来ちゃってw
松沢:ああっ、バトレンジャー。大仁田、トペ、出来ないからねw(注82)
マグナム:出来ないっす。大仁田、ほら、場外に出て膝打つからw
松沢:ロープに絡んじゃうからw
マグナム:絡んじゃうからね、あの人。その時、つま先絡んで、グッと足打って、それで引退しちゃうんすよねw
松沢:カッハッハッハ。
マグナム:まっ、そういうのがあって、リングアナやったのが最初。
松沢:それがそうなのか。
マグナム:それでそのあと、ユニバーサルの専属リングアナが辞めて、人がいなくなったんで「ちょっとマグちゃん、やらない?」って言うんで、やって。その時にデルフィン(注83)とかサスケ(注84)とかが下っ端でね。その時に仲良くなって。メキシコから帰ってきたあとかな。
松沢:ウチ(レッスルボーイ)で(メキシコ修業時の)日記書いて貰って。
マグナム:それで『みちのく』(注85)やる時とかにオレもリングアナやらして貰って。大阪でやったりしてて。
松沢:あっ、それでデルフィンとかと付き合うようになったの?
マグナム:ちょっとだけね。で、大阪帰ってきた時に、こっちにおった時に、TAKAみちのく(注86)とかが『KAIENTAI』(注87)やり出して。「せっかく来たから、ちょっとだけやりません?」っていう時に。まあ、その間に空手とかのをたまにやってたんですよ、頼まれれば。
松沢:柳家かゑる(注88)のようにw
マグナム:柳家かゑるさんのように。鈴々舎馬風さんですよ。頼まれれば何でもやる。お父さんがヤクザじゃないっていうだけでね。お父さん、床屋だ。あの人ね、床屋の倅だ。
松沢:ヒヒッ。そのネタはいいからw あっはっはっは。
マグナム:その辺でやるハメになってしまった。
取材協力:マグナム北斗の店『与太ばなし』大阪市中央区千日前1-6-7日宝阪町ファイブ5F (06)4963-3645
(その四へ続く…)