松沢:「デッカイ関西のあんちゃんがいるよ」って言ったって、当然、その時、本番なかったでしょ?
マグナム:なかったです。ただ面白がって「どんだけデカイねん」って見たくて見たくて仕方ないっていう。そんで何本か出たあとに、奥出哲雄の日活でやってた『団地妻ONANIE』(注17)ですわ。中川えり子(注18)が主演で。それで「誰のがエエ?」って中川に選ばされる役で。その時は何も聞いてなくて、急にそれやらされるんで”元気”出なくてあんまり。そんでその時、初めて日比やんとも会うたんです。
松沢:ああ~、なるほどね~。『団地妻ONANIE』は本番でしょ?
マグナム:そうそうそう。
松沢:その時、初めて男優さんを?
マグナム:そうそう。たまたまその時、紹介されたのがオレで、『418』とか結構出てたんですけど…。
松沢:『スタジオ418』?
マグナム:そうそう。それでそうこうしてるうちになんかの拍子でKUKI(注19)に出るんですよ。ただ外注でしょーもない作品ですよ。で、スタッフと仲良うなったんで、「一回本体の撮影に呼んだるわ」って言って。で、ジャッキー(注20)のところに行くんですよ。宮崎さんね。で、あそこはね、炊き出ししてたんです。ず~っと泊まりでやってるんですけど、朝ファミレス昼ファミレス夜ファミレスやと、そのたんびに休憩せなあかんですやん。食べに行かなあかんじゃないですか? で、「ウチは途中何かで軽くでつないで、夜は宴会やから」って。ほんで、ADなんかが作ってるけど、オレ出番がないから見てたらあんま上手じゃない。手際悪いな?って見てたら「料理できんの?」って言うから、「出来ますよ」って言って、チョイチョイチョイっと作ったら、「ウマイやん~! アイツ次も絶対呼ぼう!」って。そんでジャッキーが「美味しい!」って褒めてくれて、それで出るようになって。そんであの辺に出だすと顔が売れるんですね。勝手に仕事が来る。なんかそんな感じですね。