鷲本:アイランプがあったw で、社長も現場に見にきてたんですよ。で、変に動いちゃうと社長も写っちゃうんで。とにかく誰かがいたんでそれが写っちゃうのが嫌で動かなかったというのもありますね。
松沢:V回したのはあの時が初めてだったんでしょ?
鷲本:いや、もう何度も回してたんですけど、所詮、素人の、運動会ノリのしかなかったんで。
松沢:ジャンク斉藤さん(注4)に聞いたんでしたっけ?
鷲本:ジャンクさんに全部教えて頂いて。ライトの当て方はカメラマンの伊藤純一さん。伊藤さんに現場の手伝いに来てって言われて、直接当てたら画面が汚いだろ、おかしいだろって怒られてw 「バウンスって知ってる?」「えっなんすか?」w 「直接じゃなくて上に当てるんだ、上に」って。そう言うレベルでしたw
松沢:あれって編集してないですよね?
鷲本:そうホントにノンストップで撮って、それであまりに手ブレがひどいな、ピント合ってねぇなとか、背景に写りこんじゃったなというところをカットしただけです。
松沢:でもコレでいいんじゃないの?って見て思った。肌がきれいに見えるとかそういうのじゃなくて、やってる人たちのライブ感っていうか、それをただ単に撮ってればそれなりに面白いものに、エロかったりするっていうのが衝撃的だった。鷲本さんが意図したわけではないのにw でもこの作品があったから、じゃあ、これを画面撮りで何をやっているのかを見せてあげれば読者、ユーザーに届くんじゃないかと。ショップも増えてきてたんで需要があるのかな~っていう考えはあったんですよね。あれで八千円くらいでしたっけ?
鷲本:そう八千円。
松沢:それだけ、こういうものを見たい人っていたと思うですよね。盗み撮りみたいなやつが好きな人とかいたと思う。でもレンタルで安く借りても、そういう作品にはそんなシーン入っていないので、八千円でもいつでも見れるように手元に置いときたいっていう感覚って当時のユーザーにはあったと思う。
鷲本:でも当時、八千円でも高くなかったんですよね、考えてみたら。
中嶋:買わなきゃ見れないっていう類のものだったんで平気で一万円超えの作品もあったし。
松沢:街にはお金があったんすね。
鷲本:なんでしょうね。別にお金があった気もしないんですけどね。観賞手段がないじゃないですか。だから欲しいと思ったものは買うしかない。
松沢:そうですね。だからボクはそういう気持ちに寄り添うべきだという感覚はあったんで。で、『濃厚接吻』か、次にボクがやられてしまったのはw あれは睦月影郎さん(注5)の企画なんでしたっけ?
鷲本:いやいや違います。睦月さんは『濃厚接吻』を見てお手紙を下さったんです。『濃厚接吻』は元々通称キャットファイトマニアおやじさんの企画撮影のついで撮った作品なんです。
松沢:キャットファイトマニアおやじも、向こうから連絡がきて…
鷲本:いや、実はそれもとっかかりはうちの社長なんです。あれは別のSMクラブかな? 忘れちゃったんですけど、何しろうちの社長めちゃくちゃ顔が広い人なんで、それでまたこういう人と知り合ったんだけどお前bあってみろって。
松沢:でもキャットファイトマニアおやじから急に電話がかかってきたって話の方が面白いですけどねw
中嶋:ははっ、じゃあそうしましょうかw
鷲本:社長が出てき過ぎるんで、じゃあ、そういうことにしとくw? でもまぁ、現場に行ったらもうあの人が全部仕切りで。ただあの人レズの現場には全く興味ないんで…。
松沢:連絡があって、それでその人のためだけに作ったんですか?
鷲本:んーとね、キャットファイトものを女の子を集めて撮りたいんだって、本人。自分の好きな設定のビデオを撮りたいんだと。で、女の子何人も呼ぶんだったら、それだけじゃアレなんで別のも撮らせてもらえませんかって言ったような気がします。
松沢:ああ、その時に別撮りで。
鷲本:そう。女の子二人なんでレズもの撮りますと言ったら、ほら、あの人はレズとか全く興味ない人だから…
松沢:戦わないからw
鷲本:そう。それでこっちが撮ってる時はあの人はどこかで時間つぶしてたんじゃないですかね。
松沢:それが『濃厚接吻』なんですか?
鷲本:はい。
松沢:そうなんですか…。またそんないい加減な感じであの不朽の名作が誕生したのかw しかしキャットファイトマニアおやじっていうのは…w
中嶋:もうキャットファイトマニアおやじって言いたいだけじゃないですかw
松沢:ははっ。…スタジオみたいなところに布団を敷きつめるんでしたっけ?
鷲本:敷き詰めません。ただ、色んなところに色んな仕込みをしてたんですけど、やることなすこと、もうどうでもいいよ、みたいなw 写んないからどうでもいいよ、みたいなw
松沢:写んない?
鷲本:写んないところに色んな仕込みしてたりとか、好きな人でしたね。「これを使ってね、ここでカメラアングル逃げ出して、ガーン! そして女がキーン! みたいになって」っておっさんがw