松沢:で、撮ったんですか?
鷲本:ぼくが撮ったんですけど、ゴチャゴチャゴチャゴチャうるさいんですよ。あれしろ、こうしろってw 「本気で首絞めて、キーってやってくれ」とか。V回ってる時にも言うしw
松沢:シチュエーション決めたんでしたっけ?
鷲本:シチュエーションはもう~数倍細かい設定で。ほとんどざっくりカットしましたけどw
松沢:それ売らなかったんでしょ?
鷲本:売りましたよ。
松沢:売ったんですか?
鷲本:はい。たいした売り上げ出ませんでしたけど。
松沢:お金出したのはそのキャットファイトマニアおやじ?
鷲本:違うんですよ。
松沢:違うんですか?
鷲本:お金はちゃんとうちの会社が出してます。
松沢:じゃあプロデューサーみたいな形で?
鷲本:そうです。で、オレのための現場みたいな感覚で来てるから。で、せっかく女の子呼ぶんですからこっちでも撮らせてもらえませんかって言って。向こうは「昼飯代くらいは出すから」って。今で言う”つなぎ”、ああいうのは出すからって。
松沢:で、その時に別物撮ろうとして、それでなんで『接吻』になったんですか?
鷲本:それはもうボクの、昔見た『探偵物語』(注6)のラストシーン…
松沢:『探偵物語』?
鷲本:松田優作と薬師丸ひろ子の。あのキスシーン。見えないんだけどほほのへこみ具合で絶対舌を入れてた。興奮しましたよ~w で、その時、見たいな~って思って。映画は男と女でしたけど、女同士だと画もきれいだし。で、そんな感じのって頭の中にはあったんです。でもダメだろうなぁ~と思ってたんですけど、始めてみたら、林ちなみちゃんだっけ? 「これは前菜なんだけど~、軽いノリで女の子同士いちゃいちゃしながらしゃべってる」って感じでお願いしますと始めてみたら、凄くいい感じで気がついたら二人のしゃべりが延々長くなっちゃって。で、キスが始まったらまた長くなっちゃって…
松沢:確かに。最初あれ、二人は普通に座ってて、雑談みたいな感じで始まりましたよね。
鷲本:そのシーンが結構好きだったんですよ。コトの始まりの前みたいなシーン。それは説明した覚えがあります。それで「それじゃあ、やろっか?」チュッみたいな。
松沢:「女の子の唇ってやわらかいよね~」とか。それで段々やっているうちにどっちかの方がちょっとその気になってきたみたいな感じで。
鷲本:あれ演出でもなんでもないですよね。最初に説明して、それで林ちなみちゃんの方がタチみたいな感じでぐんぐんぐんぐんエロくなっちゃって。受け側の女の子の方もポッポポッポしてきちゃったんで、このあとの流れも考えてたんですけど、そんなもんはどうでもいい、みたいなw あんなのオマケですもん、完全に。
松沢:接吻だけで僕もかなりエロい感じになりましたから。鷲本さん、オマ○コ嫌いですもんねw
鷲本:嫌いなわけじゃないですけどw
松沢:見たくないって言ってたじゃないですかw
鷲本:見たくはないですけどね。嫌いなわけじゃないです。
松沢:そうなんですか?
鷲本:嫌いって書いた方が面白いとか言い出しそうだなw
松沢:埼玉の、家の近くのバス停で待ってたら、変なおねえさんが来たんでしょ?
鷲本:大宮ですけど。
松沢:それで部屋に連れ込まれてw 「ほらっ」て見せつけられて、それ以来、ダメになったってw
鷲本:そりゃそうじゃないですかw それまで見たことないんでw
松沢:まるでエイリアンの口のようなw それっきり、クンニリングスはNGだってw
鷲本:ははっ。この辺がこう死体に顔を埋められたような。てことを風見京子ちゃんと一緒に撮った女の子(注7)の前で話したら、その子がすっごい冷たい目で「女だってね、同じ思いしてるんです」ってw
松沢:わははっ。で、その『濃厚接吻』を見た睦月影郎さんからハガキが来るんですか?
鷲本:『濃厚接吻』だけじゃなかったと思いますけど、一連の接吻ものを見て睦月先生が、ファンですっていう。で、自分もこういうエロ小説書いてるんで、こんなシチュエーションとか、実際に実写で見てみたいな、というリクエストで。で、睦月先生に現場にいらっしゃいませんかって。見たいのがありましたら、こっちで頑張ってみますからって。で、撮ったのが今のしみけん君の、筋肉隆々になる前に撮った『口香教師』(注8)かな。
松沢:ああ~、そかそか。なるほどね。上から垂らすやつですよね。
鷲本:あとはふーって息を吹きかける。接吻もので呼んだのに睦月さんと話してたら、日焼けした背中の皮を剥いて食べるとか、そういう話で盛り上がってw この人たち、何のマニアなのよって盛り上がってw 違うじゃん、唾液とw
松沢:でも睦月さんの小説であるじゃないですか。義理の姉の足指の皮とか…。
鷲本:ぼくはそういうのないから。マニアには色んな人がいるなあ~って思って。
松沢:睦月さん、そのあと何かありましたね。白い息を交換する…
鷲本:冬山の外で撮ったやつですか?(注9)あれは睦月さんが撮ったわけじゃなくて、睦月さんとの会話の中でそういうのもいいよね~っていうので、アレンジして撮ったやつです。女の子の口から出てくる白い息が相手の女の子の口の中に吸い込まれて行くっていう。