元エロビデオ雑誌ビデオメイトDX』(コアマガジン 1988~2010)編集長。写真は産湯に使っている本人。

鷲本ひろし(アロマ企画) 編・その参●あの人は今、のおいらが 同窓会の招待状を出しました(仮) 第一回・招待状送付人 鷲本ひろし(アロマ企画) 出席◯

いいんじゃないですか。最後は妄想なんだから。それがきっかけになってるのが、映像なんだから風俗なんだからっていう世界だから。

松沢:前は自分たちが撮りたいものを見せるということで、自主規制ということで出してたのが、今は全部が同じ規制の中で、「これは誰も撮らないかな」とか「ウチならここを見せるか」という形になる?

鷲本:自分なりにその中で撮ってて、自分が興奮するシチュエーションに持っていくというか。収集して、じゃあ、それを伸ばそうというか。変な、余計なところに凄い労力がかかりますよね。

松沢:なんかこだわる、じゃないですけど、このシチュエーションでこんなシーンがあったというのが頭に残ってたりするじゃないですか。まさに映像の、映画のシーンだったりとか。さっきの松田優作とかw

鷲本:それこそあの時代は映画もなんでもアリアリだったじゃないですか。日活ロマンポルノでも今じゃ絶対出来ないようなタイトルだったりとか。やっぱりその時に「おおーっ」って思った人がぼくらとか、また上の世代、ちょっと下の世代の監督さんが、その頃を思い出しながら。

松沢:それが出来てたのが、インディーズビデオの初期の頃の表現だったのかもしれないですよね。で、鷲本さんはもう撮ってないんですか?

鷲本:いや撮ってますよ。監督名を出してないだけです。

松沢:ああ、そうなんですか。しげちゃんも出してない。監督名を出していない?

鷲本:ええっと、何年ぐらい前からかな。あえて出さなくしたんです。今は笠井くんだけが、外注の監督さんなんで出してます。

松沢:お客さんのためじゃなくてもね。

鷲本:というか裏事情を言うとあれなんです。結局、例えばパンチラものを撮りましたって時に、笠井貴人っていうのは名前が凄くて、パンチラの中では。で、例えばしげおくんだとか、さとしくんがリスペクトして同じようなものを撮っても「笠井の名前が入ってないんだったら買わねぇよ」とか、逆に「さとしの名前が入ってるんじゃヤダな」とか、そういう変な偏見があって。でも中味は凄くいいんですよ。その監督の名前で買う人が左右されちゃうんだったらそれおかしいでしょって。それだったら俺ら、名前を引くよって。ただ、彼らも外注監督なんで、夢野とか笠井くんとか。「自分の名前で売りたいからちゃんと出して下さい」ってなったら、出しますよと。社内監督では出さないかな。作品というか内容、タイトルから連想してもらってそこで判断して購入して下さい。中味は俺が撮ろうと、笠井が撮ろうと、夢野が撮ろうと、ウチのしげおが撮ろうと、内容変わらないくらいみんな一生懸命撮ってるからっていうことから、そういう理由でタイトルで判断して頂戴よって。ドグマさんの真逆行ってますね。ディレクターズ・レーベルだってドグマさんは言ってるけど、ウチはディレクターズ・レーベルじゃなくて、もう内容から連想して買って下さいっていうふうに変わってます。

松沢:昔は監督の名前出さないとユーザーに対する責任があるから。だから名前を出してたわけじゃないですか、鷲本ひろしとか、角脇しげおであるとか。それがもうそうではないよと。まあ、一つを丸ごと一人で撮ることはなくなったのがあるかもしれないですけど。

鷲本:そうです、それもあります。でも監督名で左右されることっていうのがかなりあったんで、「そんなことないよ、彼らの見てよ。凄くいい演出してる。いいもん撮って綺麗に撮ってるんだから、名前だけで判断しないで」っていうのがあるんですよ。それで出さなくなりましたね。別に騙すつもりじゃなく。

松沢:最近、まったく映像見無くなっちゃったw

鷲本:いいんじゃないですか。最後は妄想なんだから。それがきっかけになってるのが、映像なんだから風俗なんだからっていう世界だから。いいんじゃないですかね。でもこの時代によくこんなエロの記事でやろうと思いましたね。今ってエロの話題とかで記事にしづらい時代じゃないですか。

松沢:そうですかね。

鷲本:今の若い世代の子たちと話すと、ホント、今の若い世代ってエロについて話せる時代じゃないんだなあって思いますよ、雑談の中でも。昔、暗い所でイヒヒって言いながら持ち込んだエロ本を見せ合ってた世代からみれば、そんな明け透けな時代になってしまったのか~みたいな。さっきの話じゃないですけど、女の子も「私Sだから」「Mだから」って簡単に言うし。

松沢:形而上的な感覚ですよね、みんな。

鷲本:「私、エロいんですよ」って明るいところで言われると、エエ~ってなりますよね。そういうのって言っちゃマズくない、みたいな。

松沢:そういうの言われても全然エロく感じないから。ふーん、そうなのって感じですよね。

鷲本:アナタの言うエロって見せて貰いたい。そうなっちゃうと今度、変人扱いになっちゃうんですけどw 通報されそうになっちゃうから。

松沢:なるほど。エロも声高に言う時代になってきたということですね。

鷲本:ですね~。ガックリって感じ。

松沢:それでアロマ企画っていうのは映像会社として何年目くらになるんですか?

鷲本:この間、25周年でTシャツ作りましたから、もう25年ちょっとになります。

松沢:そうですかw じゃあ、26年目ということなんですね。四半世紀って考えると凄いですよね。

鷲本:はい。長いですよ、デマンドさんがこの間、20周年ちょっとって言ってましたけど。ウチはもともとブルセラの時代からですからね。

松沢:25年か。鷲本さん、いくつになった?