素人のマニアカップルから、アダルト業界に生きる女の深層心理に迫るインタビューを多数行うライター。

ビデオメイトDX 1995年12月号 三代目葵マリー インタビュー●再掲載記事

あの人は今、のおいらが 同窓会の招待状を出しました(仮)第2回 招待状送付人  三代目葵マリー編・インタビュー資料特別掲載


「男と別れまして、以来、今まで普通の男女の、いわゆるお付き合いみたいなものはしていないですよ」

 素人時代の三代目は人並みの遊びもしていたという。酒は飲めないがディスコで踊るのが好きだった。当然、ナンパ師たちが群がってくるが、しかし、そこでも女王様は女王様であった。

「男が寄ってくる。それで私も気に入ってダンドリふんでホテルへ行こうということになる。でもそのとき私ははっきりと言うんですよ。私は自分がリードするセックスじゃないとイヤだからね、と」

 絶対自分がリードしなくちゃ気が済まない。そんな三代目の思想が『女は抱くもの、男は犯すもの』というもの。三代目は女王様であると同時にレズでもあると公言している。

「子供の頃から姉御肌だったんですよ。女の子は好きでした。男と遊ぶことなんてほとんどなかった」

 そういう三代目だから、かなり特殊な子供時代を過ごしたらしい。

「人と同じことをするのが大嫌いでね。運動会もわざと人より遅れて入場したり、かけっこも、みんなが一生懸命走っているところを、一人歩いてゴールしたりね。えらく怒られたけど。そう、注目されるのが好きなんですよね、どんな手段をつかってでも(笑)」

 負けず嫌いな人間は、自分が負けると思う勝負には手出しをしない。それが勝利の方程式なのだ。また、三代目は裕福な家庭の一人っ子お嬢様だった。

「学校の送り迎えはハイヤーだったし、お小遣いもそれなりに貰ってたし。だから大人の世界で育った感じで、友だちも少なかったかな」

 一人っ子お嬢様として、俗世間の色に染まらないまま大人になる。それでセックスを覚える。しかし、人と同じことをするのはイヤ。男に見下ろされているのはイヤという本性が、自然と女王様セックスに走らせた。だから、これは誰かに教えてもらった快楽の道ではなかった。

「私は、自分のやっていることがSMで、自分の立場が女王様ということに気付いていなかった。意識したのは、プライベートでやっていることをしてお金を稼げるということを人に聞いて、この世界に入ってからなんですよ」

 まさに天性の女王様。いま活躍している女王様の中には「かっこいいから」との理由だけで看板を掲げている偽物も多いらしい。固定観念とは実に情けないもので、その偽物が正統派としてイメージされがちな世の中。だから三代目のやっている行為は『特殊なSM』と呼ばれることも多いと言う。それでもちゃんと本格派には理解されている証明が、天下の葵マリーの襲名であり、プライベートでの3人の奴隷の存在。

「奴隷だからって厳しくするだけではないですよ。ひとりは“そばにいるだけで幸せ”と言ってる駅長さん。50代かな。マッサージするのが好きでね。ときどき“女王様、お身体の具合はいかがですか”と電話がかかってきますよ。家にきて掃除することもあるし、赤いTバック穿いて外で座っていることもある。でも、それも本人が望んでいることを、私が察して命令しているだけ。無理強いではないんです。そこを勘違いしがちなんですよね、知らない人は。奴隷と女王様は精神的なつながりがあって初めて成立するんですから。私にとって奴隷はかわいい存在です。だから奴隷が女王様に浣腸してみたいと言えば、やらせてあげます」

 浣腸まで…。これまでの固定観念を捨てねば理解できない女王様。しかし自分の持っているM願望を、素直に引き出してくれそうな期待は大きい!

「取材を承けてると“この人はいいM男クンになりそう”と感じる人は、結構いますよ」

 かなりドッキリする陽光先生&荒玉。すかさず空気を察する三代目。

「そうね、お二人だったら…」

 と言い、陽光先生の目をジッと見つめる。そしてニッコリ。

「山本さんなんか、いいM男クンになるかも。目の奥が語ってますよ(笑)。女王様と奴隷は目で語り合うんです」

 目の奥底から照れる陽光先生。出会った瞬間に「あっ」という声を聞いたのは、やはり間違いではなかった。あれは「いい(M)男!」との意味だったのだろう。以降、撮影に入ったが、カメラを構えているとき以外は目を合わせられない山本陽光。「目標は日本一の女王様になること」という三代目葵マリーは、やさしく見つめているのだった。