松沢:山本竜二さんもそういうキャラだと思うけど。
マグナム:竜ちゃんは昔から剣劇志向、映画志向が強かったんで、あんまりビデオに出てなかったんですよ。あの人の方が面白いけど、あの面白さはまだエロビデオ業界には必要なかったですw もうちょっとヤバいところで良かったんですw だんだん、色んなことをして最後の最後にあの人が生きてくるわけですね。
松沢:うん。「この企画は山本竜二しかないな」って。
マグナム:なってくるわけですね。その頃になるとオレもなんやろ。デビューしたての女の子なんかオレに当らなくなって、「何があかんの?」言うたら、「オレの後やと”清純派”に見えない」言うからw
松沢:かっはっはっは。「マグナム北斗とヤッてしまったらもう”清純派”じゃない」w
マグナム:ないw オレとシて”清純派”を卒業して”淫乱派”に行くっていうことですねw はっはっはっは。なんか”踏み絵”みたいにされてね。
松沢:デビューしたてだと遠ざけているわけだ。
マグナム:その頃には平本(注24)とか出てくるから。若いのは平本とか速水健二とか麻郎とか行ったりするわけですよ。で、そろそろ厳しいことやらそうかなっていうと、「そろそろ行っとく?」って言うてw
松沢:”真打ち”がw
マグナム:”真打ち”登場ですよ。だってオレ、辞めたあとにいとうしいな(注25)に言われたもん。「私ね、すっごい行きたかったんだけど、事務所が勝手にNGにしてたの」って。「ウソやん!? 会うたこともない」。会うたこともないのにオレと山本竜二はNGにされてましたからね。片や”変態”、片や”淫乱”。へへへへっ。
松沢:ふふっ。まあ、竜ちゃんNGはちょっとわからんでもないw
マグナム:わからんでもないw
松沢:それと同じランクなんですね。それでその頃、東京スポーツとか読むじゃないですか。そうするとどうしてもハリー・リームス(注26)とかが出て来るじゃないですか。「30センチのアレってどんなんだ?」と。「ズボン穿いて勃起すると足が上がるらしいぜ」とかさw ふはははははっ。
マグナム:その頃からですよ。『ビデオ・ザ・ワールド』とかに”日本のジョン・ホームズ”マグナム北斗、とか書かれてw ジョン・ホームズ(注27)って、そんなん言うたら『ブギー・ナイツ』じゃないですか、オレw
松沢:『ブギー・ナイツ』?
マグナム:アメリカ映画であったんですよ。
――実在のポルノ男優がのし上がっていく伝記的作品です。
マグナム:マーク・ウォールバーグが、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックを卒業して最初に出た映画らしくて。エロ映画なんですけどね、結構売れたんです。で、アカデミーの脚本賞くらいしかノミネートされなかったんですけどね。題材が題材やからね。なかなかおもろかったです。