鷲本ひろし(+中嶋Pアロマ企画プロデューサー)×松沢雅彦
対談 (2016.12.26 於：東京・高円寺 アロマ本社)
鷲本ひろし編第二回
今は”誰も知らない”元エロビデオ雑誌編集長の松沢雅彦が、懐かしの面々を訪ね歩いて、勝手気ままに昔のエロ話に花を咲かせるという当コーナー。インディーズビデオの立役者・鷲本ひろし氏との対談は、『アロマ企画』の黄金時代の話で弾み、そして意外な方向へと転がっていく…。
松沢：で、そのあと、アロマ企画というか鷲本さんのコンセプトはどっちに行ったんでしたっけ？
鷲本：まあ、夢野が来てから『淫語』っていう…。
松沢：ああ、夢野あいださん（注10）が来てからですか。
鷲本：夢野の世界の淫語。ぼくの世界の淫語っていうのは彼のとは違うんで。ぼくはぼくでぼくの世界の淫語っていうのが好きだったんで。宇能鴻一郎タイプ（注11）の展開の淫語が好きだったけど、彼が来て、その彼の強烈な、俗に言う「梅原テープ」の世界…
松沢：「梅原テープ」ってなんですかｗ？
鷲本：「梅原テープ」ってあったんですよ、カセットテープが。大人のオモチャ屋に売ってる類の。その強烈な世界があって、彼は彼でそれ以外の淫語の世界は受け付けないってなってるわけです。いまだにそうらしいですけど。
松沢：何をそんなに？
鷲本：女の子にチンチンっていわれるとキュンとするとかいうと「そんなんじゃダメだね。おチンボだよ」って。ポじゃなくてボの方ね。
中嶋：おさね、とかねｗ
鷲本：そういうのが現れたんで、あっこれはもう彼の世界でやるしかないな、淫語関係は俺の入るところはないなと。その頃から『ＢＰＯＲ』、オナニー露出の方に…。
松沢：夢野さんの時に千津理香子（注12）…
鷲本：千津さんはもっと前です。
松沢：千津さんはもっと「これとこれだけは女の子に言わせてください」みたいな手紙が来たんじゃなかったでしたっけ？
鷲本：そうです。いっぱい来ました。
松沢：「このシーンでこんなことを言ってください」みたいな。
鷲本：はいはい。
松沢：例えば『濃厚接吻』の時に、「口が離れたときになにか言葉を言って欲しい」とかなんとか手紙に書いてきたんじゃ？
鷲本：「私マン毛、剛毛なの」って印象に残ってるんだけど、相沢奈央（注13）に言わしたら、彼女、笑いが止まらなくなっちゃってｗ それをぼくがインタビューでビデオメイトＤＸで言ったら、それを読んだ千津さんから「凄いショックでした」ってｗ 「あの相沢さんに笑われたなんてショックでした」って長い手紙がｗ でも今じゃ考えられないような企画と撮影の仕方をしてましたよね。
松沢：『ＢＰＯＲ』なんかにしても、アレ、ネットかなんかの言葉なんでしたっけ？
鷲本：そうです。「勃起・ペニス・オナニー・露出」っていうのを陰語的に表す一文字で、みんなほくそ笑んでた。
松沢：それは映像はあったわけですか？
鷲本：ないですないです、一切ないです。それは投稿の文字文化です。それをその人たち、のり太くん（注14）たちみたいないわゆる変態がw 実際に実行して、それをまた送ってくれる人たちの世界があって、そっちの実行する世界がまた面白かったりとか。また実行された側の女の子たちの反応を撮影した映像を投稿してくれたりとか…。
松沢：そういう『ＢＰＯＲ』の投稿サイトとかあったんですか？
鷲本：ＢＰＯＲではないですよ。露出のサイトがあって、そちらに送ってくれた。その中で、露出をする女の子とか、露出を見ちゃった女の子とか、色々分かれてました。
松沢：おれが紹介用の新作を取りに行った時に、「松沢さん、『ＢＰＯＲ』って知ってますか？」って言われてｗ 「ボクの…？」と言ったそばから「違うんだなあ、全然違うんだなあ～」ってｗ
鷲本：すんごいドヤ顔でｗ
松沢：そうそれでイラッとしてｗ
鷲本：それで広がらなかったのかなあ～ｗ 最初、アレをボポールって読ませようとして…
松沢：ボポールｗ でもあれは元々『ボクのオナニー見てください』ってタイトルがあって、サブタイトルで”ＢＰＯＲ”ってついてたんですよね。
鷲本：今思うと、凄い気合い入ってましたよね。ベートーベンの第九でブォーンっていうのをピノコちゃん（注15）に作ってもらって。
松沢：あれって最初の方って素人の女の子たちでしたっけ？
鷲本：ほぼそうです。札幌のテレクラで声をかけたりした子とか。
中嶋：みちのくとかね。
鷲本：青森の駅前、吹雪の中で声かけて…。大変でしたよｗ 「クソ寒い中、声かけてきて、なんだと思って聞いてみたら『オナニー見てくれ』だとぉ」ってｗ
松沢：はははっ
鷲本：「このまま通報するぞ」みたいなｗ あと九州は…小倉駅前かな、一日中、女の人に声掛けしましたよ。
松沢：ＢＰＯＲツアーに出たんですね。
鷲本：出ましたね～。一番しんどかったな～。
松沢：ああいうシチュエーションっていうのは、ＢＰＯＲの中にはあったんですか？ オナニーを見せるという…
鷲本：全くないです。あれはほら、元々ぼくが撮り始めた『お嬢様エロ漫画お絵かき』（注16）でチ○ポ見せたのが始まり。自分の好きなアングルから見てっていう。
