元エロビデオ雑誌ビデオメイトDX』(コアマガジン 1988~2010)編集長。写真は産湯に使っている本人。

鷲本ひろし(アロマ企画) 編・その弐●あの人は今、のおいらが 同窓会の招待状を出しました(仮) 第一回・招待状送付人 鷲本ひろし(アロマ企画) 出席◯

リアクションを自分で想定して、そのリアクションがぼくらは好きなんだろうなっていうリアクションをされると…淋しいんですよ。


松沢:ああっ、『エロ漫画お絵かき』だ! そうかそうか。

中嶋:あと『粘土』もあって…。

鷲本:『エロ粘土細工』(注17)

中嶋:『粘土』は失敗だったね。

松沢:うはっはっは

鷲本:良かったけどね、『エロ粘土細工』w 

松沢:やっぱ二次元の方が良かった感じでしたか。

鷲本:あ、最初は『エロ小説朗読』(注18)です! 淫語やBPORへ向かって行ったのはすべてはそこからですよ。

松沢:そっかそっか。それでエロ小説を募集したんだ。

鷲本:そうそう、それで千津さんだ! 「これを女の子に読んで欲しい」って。

松沢:募集したら千津さんが長いのを…

鷲本:そう、千津理香子さん。女の人かぁって!

松沢:そうだそうだ、アレね、ぼくは普通のエロ小説を読んで欲しかった。

鷲本:いや、一番最初はそうだったんですよ。ホントのポルノ小説。

松沢:そうだ! 実話誌かなんかの。ルポルノマガジンみたいなの。

鷲本:そうです。表紙が見えないようにおっさん巻きして読んでた。

松沢:まぁ、企画的には「きた~っ」と思っても実際にやってみると笑っちゃうときありますよね。

鷲本:そういう時あります。

松沢:で、そこから『BPOR』とか、自分がやりたいモノというか。何もさせないじゃないですか、頑なに触らせない、写ってる女性に。

鷲本:はいはい。

松沢:あれは最終的にどういう絵面を考えて撮っていたんですか?

鷲本:え~っと何をですか?

松沢:『BPOR』。

鷲本:『BPOR』? あれはもうすべて、あれでハッピーエンドですよw 

中嶋:でも思った以上にマーケットが大きかったじゃないですか。のちの『オナクラ』風俗のきっかけになったわけだから。まあ、元々、SMクラブ的なところではプレイ的なものとしてあったかもしれないけれど。

松沢:ああ。でもそれが女王様だとちょっと違うけどっていう。

中嶋:そうそう。

鷲本:あと、シリーズを重ねていくうちにチンコ見慣れちゃった女の子が増えすぎたよね。

中嶋:そうかもしれない。

鷲本:そういう反応にしかこっちが受け取れなくて。

松沢:「こういう話をしてきた時には、こういう話をすればいいのね」みたいな。

鷲本:そうです。リアクションを自分で想定して、そのリアクションがぼくらは好きなんだろうなっていうリアクションをされると…

松沢:淋しいねw

鷲本:淋しいんですよ。

松沢:そのサービス精神がこっちを萎えさせてしまう。

鷲本:まあ、なんかで教えてもらったんでしょ。そんな感じの反応なんです。ノリがいいっていうか。よくよく聞いてみると、あの当時、よく撮影会とかあったんで、そういうとこのディレクターさんに教えて貰ったんです、とか。あと、個人で「私、こういう写真撮影やってま~す」みたいな。そういうところに実は行ってる女の子たちなんです。俗に言う海千山千の女の子たちがポンポン出始めちゃって。

松沢:逆にあっちが待ってたわけだ。東北に行っても。

鷲本:だから全然面白くねぇなって、反応を聞いててもなんか予定調和というかお仕事的というか。

松沢:わざわざ遠くまでまで来たのに、セミプロ的みたいな。

鷲本:せっかくね、目の前で(股間の)テント見せてんのに、「はあぁーっ!」って後ろに下がったりしてw そんなわけねぇじゃん、みたいなw

松沢:わははっ。

中嶋:なんかSMクラブで女王様がさ、「こうされたいんでしょ?」的なさw

松沢:こっち側主導でウブな女性の反応を伺う、もしくは恥ずかしいのに妙にキャッキャしているところを見たいっていう気持ちがあったわけですよね。

鷲本:そんなの見ちゃうとシュンン~ってなっちゃうじゃないですか。でも、それを言っちゃいけないと思ってるから、「大っきい~」みたいなw はぁ~、もうダメだ!って。もう立ち直れないよって。
松沢:それって3本目、4本目くらいからなんとなくちょっとっていうのがあったんですか?

鷲本:でもそういう子っていうのは全部排除してたんです。撮ったけどお蔵入りで。

松沢:なるほど。

鷲本:その当時もスタッフと話してたんだけど、「最近、撮ってて全然つまんないよね~」って。もうぼくの中ではダメかなぁって。で、当時、巷に『せんずり鑑賞の女たち』みたいなのをいっぱい撮ってるメーカーがあったじゃないですか。だから、もう、うちらが抜けてもいいんじゃないって。

松沢:まあ、それらって基本的にディレクションしちゃってるものですからね。

鷲本:まっ、出せばそれだけ数は出たんで、その当時うちにいたウメキンくん(注19)とかが代わりに出してたんですけど、ぼくの中ではもう全然興奮しねぇな~、出るべき時代ではないなぁっていうのがありましたよね。

松沢:やっぱりちょっと崩れている人というか、小道具でメガネを渡しても似合ってない人とか、そういう人が耳真っ赤にしてじっと見つめてたり、それがよかった。この人とこの人のが好きなんで一つにまとめたやつを下さいって鷲本さんに言いたかったくらいなんで。

鷲本:こんなメイク、今時しねぇだろうっていう凄いメイクしたメイクさんとかねw 

松沢:あの時、鷲本さん、30くらいいってた? そんなにいってないか?

鷲本:いってましたよ。40近かったです。

中嶋:いやまだ30代ですよ。

鷲本:30代っていうことはない。

中嶋:だってあれ、99年か2000年くらいですもん。