元エロビデオ雑誌ビデオメイトDX』(コアマガジン 1988~2010)編集長。写真は産湯に使っている本人。

鷲本ひろし(アロマ企画) 編・その弐●あの人は今、のおいらが 同窓会の招待状を出しました(仮) 第一回・招待状送付人 鷲本ひろし(アロマ企画) 出席◯

リアクションを自分で想定して、そのリアクションがぼくらは好きなんだろうなっていうリアクションをされると…淋しいんですよ。


松沢:にしても”飛んだ”よね。

鷲本:もう面影ないですよ。倉田さんとのカラミですよね、松沢さんから電話がかかってきたw

松沢:えっ、なにがですか?

鷲本:倉田涼子さん(注20)との『熟女奇譚』。「今、作品の画撮してるんだけど」って電話がかかってきて、なんだろうって。そしたら「”飛んだ”ね~!」ってw 「それだけのために電話してきたんですか?」ってw そしたら”鷲本、渾身の一発”みたいな見出しが書いてあったw もうないっす、あんなことは。

中嶋:でもBPORシリーズ相当長い間作っていたと思いますよ。リリースのスパンが優に半年以上で、その半年の間に他社が何本出してんだって。それは関わっていてちょっとジレンマというか、もっと出せばいいのにって。あんだけ売れてるんですもん、ほんとに。でもまあ、納得するものしか出さない、まあリアリティというか、素の表情とかリアクションとかが撮れてたりだと、ああ、良かったなって。でもそれにしても年に一本か二本ですよ、ドル箱シリーズが。それを三年かけて四年かけてであったんで、そのあと引き継がれて続いてはいるものの、鷲本さんのリリースは遅かったんで、まあプロデューサーとしてはそういう捉え方。

松沢:結局、本物じゃなくても他社の作品でもいいやって思ってしまうユーザーもいたのかなあ?

中嶋:どうなんでしょ?

鷲本:まあ、分かり易い反応が好きだから、それで満足っていう人もいるだろうし。星の数ほど人の趣味ってあるからね。

松沢:二村さんが撮ってても、例えば『痴女行為の虜になった女たち』(注21)でも、それも現場に何人もいてディレクションして撮っているわけじゃないですか。そこで重要なのは監督の要望に対する女の子の上手な反応なので、まあ、疑似じゃないにしてもそれでいいのかっていう。まあ、雑誌ではそうは言えなかったですけど、当時はw

鷲本:別にそれにこだわってなかったです。僕が面白いかどうかなので。「疑似だろうが、ぼくは女の子が出すときのシチュエーションと顔つきとそれがいいんだから」って言いながら。葛藤してたところはあったよね。

松沢:それが別にリアルじゃなくてもいいっていうのはそうですよね。指図をして決められた場面にたどり着くのがディレクションなのか、まんま見せるのはディレクションではないのか、といえばそうでもない。

鷲本:その時のシチュエーションなんなりが重要なセンズリポイントですって言われたら、それは人のオカズは否定できないから。

松沢:『BPOR』で一本三人か四人でしたっけ?

鷲本:もっといましたね。

中嶋:そうですね、5人くらい。

松沢:5人くらいいた。それでも当時、8400円(このころ消費税が導入された)で買えば、そのうちの一人だけその人は何度も見るだろうっていうのはありますよね。残りの三人はフェバレットにならないけど、この熟女がいたから惜しくないっていう人も多かっただろうね。

鷲本:ゲリラものだけ好きっていう人がいるかもしれないしw 

松沢:くくっ、のり太くんのゲリラものかw(注22) 

鷲本:あれだけが好きだっていう人がいるし、保母モノのところだけで売れたという話も聞いたし。

中嶋:大体、「僕のオナニー見てください」というタイトルが最初に会議に上がってきた時は、「これ誰が買うの?」っていうところからまずは。二丁目あたり(注23)に持って行った方がいいんじゃないかって。

松沢:ああ、そんなこと言ってましたよね。

中嶋:出てくるのチンコと脱がない素人女だけだぞって。でも結局はその後風俗が立ち上がるほど需要があったわけで。ただ見る人たちはそれぞれだと思いますよ。自分を投影して見られている気分で楽しんでいる人もいれば…

松沢:風俗でいいなら別にディレクションされた女優さんたちでもいいっていうことになっちゃうの?

中嶋:そういうことになっちゃいますね。でも始めリリースした時は90分じゃなくて60分で四~五人入って充分くらいで勝負だったんで。まぁ、それでリアルなところが見せられたかなって。それが琴線に触れた人が多かったんじゃないかしら。

松沢:即物的にそこだけが見たい人ってなると小芝居のような設定とかいらねぇんじゃないのって思ってるかもしれないですよね。長いから。

鷲本:始まるまでが長いですからね。

松沢:長いですからね。教材かなんかのパンフレット持って出てきた時はビックリしましたよw

鷲本:なんでしたっけ?

松沢:ピンポ~ンって家に入って行ってw

鷲本:あっ、それ妊婦さんの時ですよ。説明始めて…w

松沢:それで自分で股間触り出して、パンツにシミが出てくると、いい感じなんだなぁって思ったりしたんですけどねw 鷲本さんのシミが出てるw

鷲本:いろんなお電話も来て、お叱りも受けたよね。「腹がブヨブヨのやつのチンコ見ても興奮するわけねぇだろ! もっと締まったお腹のかっこいいやつ出せよ!」って。いやいや、アンタ、そっちの方の人でしょ?ってw 見てるところが違うんだけど、みたいなw 

松沢:わははっ。オレの体の…

鷲本:オレのとは言えませんよねw 「はい、よく伝えときます、すいません」ってw 「体鍛えろっ」って言ってきましたからね。

松沢:ははっ。でも確かにそれはあるかな。

鷲本:いやあ、変なところで怒られたよね。「飛びはいいけど、薄い!」とか。そんなのザーメンなんて指示できないでしょうっ!ってw

松沢:わっはっはっ。

鷲本:違うもんでお叱り受けちゃって、面白かったなぁ~。

中嶋:でもまぁ、そんな熱心な、コアなファンばかりでありがたかったです。