鷲本:53です。でもあの当時一緒にやってた人ってまだ元気かなぁっていうのはありますよね。特にT浜(注=前述)さんとか。
松沢:T浜さん元気かなあって?
鷲本:元気かなあって。
松沢:それこそ、80…もっといってるか?
鷲本:その当時、T浜さんとかみんな、直接応募してきてくれただとか、あとは睦月さんみたいなね、「こういうの映像化できないですかね?」って声かけてくれたりだとか、あったけど、これだけネット社会になると、情報が氾濫してるのに、逆にそういう接点がなくなっちゃったっていうのが哀しいですよね。直接応募してくれる人が皆無に等しいですし。
松沢:「こんなのが見たい」っていうのも来なくなったというわけですか。
鷲本:来ない。
松沢:「この作品が良かった」ぐらいのもので。
鷲本:「誰々さんの作品はもう出ないんですか?」とか、人気のAV女優さんのはないんですかとか、そういうような質問が多かったりとか。やっぱりそういうのは哀しいかなという気はしますけど、でも、そういうものかな~。実際、そういうの言われても撮る自信ないですし。…日のあたるところに出ちゃった、というのが一番ネックだったんじゃないですかね。悶々と、こう地下で売ってるようなモノじゃないですか、元々。
松沢:猿轡されて、脚縛られた女の子がいるっていう30分モノで。小原穣プロダクション(注45)でしたっけ? そのシーンだけ見たいと思った人たちがそこにいた。見たいと思ってるのと見せたいと思ってるのが一緒になってたから、狭いパイだったんだけど、なんか面白かったり、動いたりしてたというのがあったと思いますね。
鷲本:それが価格にしても、相場ってこのくらいにしても出来るってなっちゃったから。それって相場があるもんなの、みたいなw 「オレのオナニーネタはいくらだぜ」みたいなw そういうものってある意味、ありえんだろうっていう。でも、自分たちもその中に入ってたのは間違いないんで。
松沢:さっき話してた過去の作品っていうのはDVDで売ってたりするんですか?
鷲本:ないです、もう廃盤です。
松沢:ネットでも見れない?
鷲本:ほぼ廃盤になってます。
松沢:女の子のこともあるから?
鷲本:あります、それが一番大きな理由です。契約上の問題で。
杉乃:今の若いスタッフってどんな感じですか? 昔だったら自分で撮りたいものがあって入ってくる感じだったと思うんですけど。
鷲本:ウチは若いスタッフいないですw。みんな、40前後の昔からいるスタッフばかりで。
杉乃:若いスタッフって入ってこないんですか、それとも採らない?
鷲本:入ってきても、すぐにやめちゃったりですね。
松沢:「なんか違う!」ってw
鷲本:アロマだからっていうより、AV撮りたいって入ってきて、「いやいや、あれ?」みたいな人が多い。
松沢:大体、笠井くんにしろ、しげおちゃんにしろ、まずは素人男優として来てるんだからね。
鷲本:そっからなんて殆どいないですね。多分、またどっかのタイミングで違う世代が、「どっかで見たんですけど、面白かったです」って来てくれれば、また新しいのが出来るかもしれないですけどね。
(この項おわり)