素人のマニアカップルから、アダルト業界に生きる女の深層心理に迫るインタビューを多数行うライター。

投稿者インタビューアーカイブ●ネトラレの流儀●P/撫子…01

大勢の男たちの精液で汚れた体を 家に帰って愛撫と言葉責めで慰める、 輪姦プレイは壮大な前戯なんです

鎌倉時代から続く由緒正しき名家の跡取りとして生まれた男は、少年期に観た『エマニエル夫人』に衝撃を受け「寝取られ妻」の魅力に取り憑かれた。社会人となり結婚して念願の「人妻」を手に入れた彼はその新妻にお願いした。「他の男と寝てくれ」と。地元の名士のお嬢様として育てられた妻は絶句。それでも良妻教育を受けていた彼女は、夫をないがしろには出来ない。苦し紛れに「お願いですから40歳まで待って下さい」と三つ指をついた。ある意味、狂おしい禁欲生活を続けた夫の欲望は、予定通り40歳になって爆発した!

男の性癖は、少年期の衝撃的なエロとの出会いで決定づけられる。マニア妻・撫子さん。その夫は中学生の頃、悪友と集って深夜テレビの映画枠で『エマニエル夫人』を観たとき、股間を熱くしながら大人社会の真実を悟ったという。
「人妻という生き物は、他人に犯されて快感を得るんだ」と。
「やっぱり、僕らの世代(アラフィフ)は『エマニエル夫人』ですよ」
 外交官の妻であるエマニエル夫人が、夫の赴任先であるバンコクで“マニア”に出会い、淫靡な世界に足を踏み入れて妖艶な女に成長していく物語である。その男は性について哲学を語る。《文明人の性は複数セックスでなければならない。単数ではなく2人以上の男と肉体関係を持て。それも時や場所を選ばずに。それを私は反文明のセックスと呼んでいる。そうした性の中にこそ人間の真の悦びはある――》
「ファーストインパクトで、あんなの観ちゃったら寝取られ癖に目覚めちゃうでしょう」
 凡庸な男は『エマニエル夫人』を観ても目覚めない。目覚めるのも才能なのだろう。
「寝取られという言葉と最初に出会ったのは、その少し前ですかね。当時、まだその言葉は一般的ではなかったと思いますが『寝取られ妻』というエロ劇画誌を通学路で拾ったんです。それを学校に持って行ってみんなで回し読みした。先に友達に読ませ、僕は昼休みにじっくり読んでいた。ふと気が付くと、背後に地理の女教師が怖い顔して立っていた。没収ですよ。たまたまその日は午後から保護者参観日で、授業が終わったら“Y君のお母さん、ちょっと職員室へ”と。家に帰ったら“寝取られってなんや!”と怒鳴られたと想い出があります。そんな経験の中で“妻とは寝取られるものなんだ”と刷り込まれていったんでしょうね。そのあと『エマニエル夫人』と出会い、確信したわけです」
 夫は織田信長の時代から続く名家の出。家柄を詳しく聞けば、それだけで1時間や2時間が過ぎてしまう。話の中には大河ドラマで主役を張る英雄たちの名前が飛び交う。そんな家系に育った名家の跡取り息子は、平成の世でマニアとなった。妻・撫子さんとは高校の同級生だという。妻は名家でこそないが、地元の名士の娘として街では評判のべっぴんさんだった。夫が言う。
「地元の写真館のショーウインドウに、成人式のときに撮った写真がしばらく飾られていましたね。その頃から人様に晒されていたわけですよ」
 高校時代、2人の接点は薄かった。
「彼女は別の男と付き合ってましたから。モテてましたよ。めちゃめちゃ可愛かったから。千切っては投げ、千切っては投げ、と言えるくらいに男が寄って来たと思いますよ」
「そんなことはないです。交際した男性もひとりだけで、それも清い交際でしたから」