――エロ業界って全体的に縮小傾向にあるじゃないですか。マニアの世界はどうですか?
三代目:マニアの世界は相変わらずですよ。全然、変わんないと思う。
――若い人は性に興味ないなんて言われてますけど…。
三代目:性に興味ないんじゃなくて、チ○コとマ○コに興味なくなってきてますよね。そこに特化しなくてもいいやっていう。例えば変な話、『ロー協』もそうだし、私が今やってる、1000人規模で呼んでる『フェチフェス』(注41)っていうイベントも、それこそチ○コマ○コもいらない、オッパイすらもいらない、作り物のゾンビみたいなメイクがいいっていうそういう感じ。オナニーとか性的なものに直接結びつかなくてもいいっていう世界になってる感じがある。さっき言ってたみたいに、デブに踏まれる、圧迫されるだけでいいとか、そこで終わってるよ。逆にこっちの方が広がりはあるのかな。
松沢:そうですね。葵さんが15歳デビューだから色んなことはあるんだけど、ぼくらが10歳の頃、ヰタ・セクスアリスの頃は基本的にはそういうものは何にもない。
三代目:そうだよね。公園に落ちて雨に濡れてシワシワになったエロ本とかさ。
松沢:そうそうそう、それぐらいで。それにしたってそれほどのもんじゃなかった。今思えば。それでも良かったし、TVコマーシャルのあのシーンとか、宮崎美子が木陰でこうなって、全体のフォルムが気になってとか、アグネス・ラムみたいのが気になってっていうのが、それをずっと持ってたから、インディーズビデオでの話が通ってたっていうのはあるかもしれない。実際にはセックスもしてないけど、それだけでいいのよっていう。
三代目:要は脳内セックスで収まってたようなものだから。
松沢:それでもその中でオナニーの方へリビドーが向かってたから。海綿体に血が集まるようにはしてたわけですよね。それが今はそういうものもあるんでしょうけど、探すんじゃなくて作られたものを見に行くっていうことになるんですよね。こういうのがイイっていうのを持ってて、たまたま飲み屋で知り合った人と意気投合するみたいなのじゃなくて、そういうのが好きな人の集まりに行って話をするっていうのが楽なのか、楽しいのか。
三代目:楽しいんだろうな。同じ趣味を持つ、興味を持つサークル的な属性が今増えてるので。
――マニアは昔はそういう風俗店に行ってたのが、今はイベントに行くっていうことですかね?
三代目:そうですね。
――射精を目的としていない。
三代目:うん。のちのち射精に結び付くのかもしれないけど、その場での射精は求めてない。
松沢:風俗店も今は風俗雑誌がなくなって、スポーツ新聞とかで知るしかないんだけど、行ってみると今でもいっぱいあるんですね。
三代目:そうですね。調べたことはないけど、ジャンルで分けたらいっぱいあると思うんですよ。耳かきもあるし、膝まくらもあるし、痴漢電車もあるし。細かく分けたらいっぱいあるよ。ただ、それが流行ってるかどうかは別にしてね。
松沢:妄想でもないのかな~? 見たいんですもんね。
三代目:目では楽しみたいんですよ。